硝子体注射intravitreal injection

種々の原因により、網膜の光を受ける部分(黄斑)に浮腫が生じ、それを改善する目的で眼球に「抗VEGF薬」の注射を行うことがあり、これを硝子体注射と呼びます。VEGFとは英語のvascular endothelial growth factor(血管内皮増殖因子)の略で、網膜に生じる血管新生、浮腫の原因となります。「抗VEGF治療」はこのVEGFの作用を抑制する物質(抗体)を眼球に注射する治療です。当院では「アイリーア」という名前の薬剤を使用しております。適応疾患としては下記になります。下記疾患をお持ちの方で視力低下、物が歪んで見えるといった症状があれば網膜に浮腫を生じている可能性があり、「抗VEGF治療」で治療可能かもしれませんので眼科受診をお勧め致します。

適応疾患

加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、近視性脈絡膜新生血管、糖尿病網膜症

方法

注射前の準備として、注射3日前から抗菌薬の目薬を行い(感染対策)、注射当日は当院では日曜午前に硝子体注射の時間を設けており、眼を消毒した後に点眼麻酔を行って注射を施行し、当日は眼帯をしてお帰りいただきますがご自宅に着きましたら眼帯は外して生活が可能で、翌日には異常の有無を診察し、さらに硝子体注射の効果を確認するために網膜の状態を検査し、状態に応じて複数回の注射が必要となる場合があります。

関連するページ

眼の病気辞典
加齢黄斑変性
眼の病気辞典
糖尿病の眼科合併症

記事の監修者

清水 映輔

理事長

清水 映輔

保有資格

  • 日本眼科学会認定眼科専門医
  • 医学博士 (慶應義塾大学)
  • 難病指定医
  • 身体障害者指定医