日帰り白内障手術Cataract surgery

白内障とは

■正常な状態
水晶体が透明であるため、光を十分に通します
■白内障
水晶体が濁っており、光が通りにくくなります

目の中でカメラのレンズの役割をする水晶体が濁る病気です。水晶体が濁ることで、外部から集めた光が眼底に届きにくくなり、ものがかすんで見えるようになります。紫外線や外傷など原因はさまざまですが、最も多いのが加齢によるものです。病気について、詳しくは下記のページで解説しておりますので、よろしければご覧ください。

当院の日帰り白内障手術の特徴

  • 日本眼科学会専門医による手術
  • 土日祝日でも手術可能

当院では、大学病院所属の眼科専門医による「日帰り白内障手術」を行っております。
手術に関する詳しい解説や、実際の流れ、費用などをできる限りわかりやすく説明いたします。
当院の白内障手術は、超音波乳化吸引と眼内レンズ挿入術です。
執刀経験豊富な医師が複数名いるため、土日祝日でも手術が可能です。

白内障手術について

白内障手術は、片眼ずつ行います。濁った水晶体を取り除き、新しい人工レンズ(眼内レンズ)を挿入する手術です。眼内レンズには、焦点の数によって単焦点レンズと多焦点レンズの選択肢があります。単焦点レンズは特定の距離に焦点を合わせるのに対し、多焦点レンズは複数の距離に焦点を合わせることができます。これらのレンズは、術後の視力や手術費用に違いがあるため、眼科専門医と相談して最適なレンズを選ぶことが重要です。

眼内レンズの種類と特徴

単焦点レンズ

単焦点レンズは、近くか遠くのどちらか一方に焦点を合わせるレンズです。この手術により、例えば近くの作業(スマートフォンの使用、読書、デスクワークなど)や遠くの物(看板、信号など)がはっきり見えるようにできます。ただし、単焦点レンズでは近くと遠く両方の焦点に対応することはできないため、術後には眼鏡が必須になります。

メリット

  • ピントが合ったところがくっきり見える

デメリット

  • ピントを合わせたところ以外はメガネが必要

多焦点レンズ

多焦点レンズは、近くと遠く両方の距離に対応するレンズです。この手術により、術後は眼鏡やコンタクトレンズの使用が不要となり、日常生活で広い範囲に自然とピントが合います。特に、白内障と老眼の両方に悩む方や強い乱視がある方にとって、多焦点レンズは理想的な選択肢です。

メリット

  • 見える範囲が広い
  • メガネへの依存度を減らすことができる

デメリット

  • 保険診療以外の費用がかかる
  • 鮮明さに劣ることがある
  • 夜間にハロー・グレアといわれる光のにじみを感じる場合がある

料金・費用について

単焦点眼内レンズは通常の健康保険の適応範囲です。
多焦点眼内レンズを使用する白内障手術を受ける場合、選定療養であれば、手術費用は健康保険適用、レンズ代のみ自己負担。自由診療であれば術前検査から術後フォローまで自費となります。
眼内レンズの種類にもよりますので、詳細は医師・スタッフにお尋ねください。

単焦点眼内レンズ金額(税込)
健康保険適用自己負担分のみ
自己負担1割の方約20,000円 (片眼)
自己負担2割の方約30,000円 (片眼)
自己負担3割の方約50,000円 (片眼)
多焦点眼内レンズの種類(選定療養)金額(税込)
テニクス シナジー 連続2焦点300,000円(片眼)
テニクス シナジー 連続2焦点乱視用350,000円(片眼)
パンオプティクストリフォーカル(3焦点)350,000円(片眼)
パンオプティクストリフォーカル乱視用(3焦点)400,000円(片眼)

*生命保険に加入している方は、手術給付金が支払われる場合があります。詳しくは、ご契約の生命保険会社にお問い合わせください。
*標準的な費用です。手術の状況により違いが出てくる場合がございますので、ご理解お願い申し上げます。

初診から手術までの流れ

1.初診

初診では、視力や眼底検査、眼科専門医による診察、手術の可否、手術日程などを相談いたします。
術後の見え方に影響するレンズの種類について、患者様と眼科専門医で決定します。

※診察日には散瞳薬を点眼することがあり、数時間まぶしくなるため、公共の交通機関またはご家族の運転でご来院ください。

2.術前検査・手術説明・血液検査

術前検査では、前眼部OCTによるスクリーニング、角膜内皮細胞検査、眼軸長測定などを行い、眼内レンズの度数を決定します。また、血液検査や点眼指導、周術期のケア、生活での注意点、受診日程の相談などを行います。
術後の経過を見るために、通院スケジュールを組んで、定期的に診察を受けていただきます。
なお、検査の精度向上や、手術に関して患者様ご本人やご家族によりご理解いただくために、2日に分けて術前検査や手術説明を行う場合もあります。

3.手術当日

手術の順番によってご来院時間が変わるため、ご来院時間は事前にお伝えします。1日に複数件手術を行いますので、ご理解宜しくお願い申し上げます。

手術当日、術前の点眼や血圧の測定を行い、万全の状態で手術に臨んでいただきます。清潔な状態を保つため、手術室に入る前に清潔なガウンを着用いただきます。

手術室に入り、いよいよ手術開始です。
消毒やドレーピングなど、確立された方法に従って手術の準備を進めます。
手術は繊細な作業が必須となるため、顕微鏡を覗きながら行います。
医師の指示に従っていただき、リラックスして手術を受けていただくことが重要です。

手術は、超音波水晶体乳化吸引術によって行われます。点眼麻酔を施し、水晶体の前面に小さな穴を開け、濁った水晶体を砕きながら吸引します。水晶体を完全に取り除いた後、新しい人工レンズを挿入します。手術時間は約15分~30分程度です。

手術終了後、眼帯を装着し、落ち着くまでリカバリールームでお休みいただきます。全身状態が安定したらご帰宅可能です。ご帰宅後は、できるだけ安静にお過ごしください。

4.術翌日

手術翌日にご来院いただき、早期合併症がないか診察をします。この日に眼帯を外し、術後の点眼薬と保護眼鏡の着用が開始となります。
術後の視力を維持するために、定期的に検査を受けていただきます。術後1週間以内は、感染症のリスクが高いため、経過観察が重要です。特にこの期間は眼をこすったり触ったりしないようにご注意ください。

術後は医師の説明を守って、慎重に生活してください。術後のお仕事や、その後の受診スケジュールなど、ご不明点やご質問がございましたら、いつでもお問い合わせください。

白内障手術後の生活について

下記の注意点を守り、手術後の生活を安全に過ごしてください。ご不明な点がありましたら、いつでもお問い合わせください。

  • 術後1週間は洗顔洗髪ができません。顔を拭くだけにしてください。
  • 首から下のシャワーは手術翌日から可能ですが、水や泡が眼に入らないように注意してください。
  • 普通の洗顔、洗髪、湯舟に浸かることは手術1週間後から可能です。
  • 術後1週間は保護めがねを昼夜着用していただきます。
  • 激しい運動は控えてください。
  • 埃の多い場所で過ごすことは避けてください。
  • 簡単な家事や事務作業は翌日から可能です。
  • 眼を押さえたり、ぶつけたりしないように気をつけてください。

白内障手術後の視力について

  • 眼内レンズのタイプにより、手術後の見え方に違いがあります。 遠くにピントが合う眼内レンズの場合、手術後に手元の新聞や本などの細かい字が読みづらくなります。逆に近くにピントが合うレンズの場合、遠くの人の顔や標識などが見えにくくなります。
    ※眼の状態によって見え方には個人差が生じ、必ずしも狙い通りにならないこともございます。
  • 視力が安定するまでに1~2か月かかります。(多焦点レンズの場合は3~4か月かかります。)
  • 眼鏡の作成は視力が安定してからとなります。眼鏡の処方箋をお渡しします。

白内障手術または検査をご希望の方へ

まずは白内障手術の適応があるかどうか、お電話かWEB予約ページよりご予約ください。眼科専門医による診察後、手術適応かどうかを判断し、適切な治療方針を患者様・ご家族とご相談の上で決定いたします。

白内障の重症度や合併症の有無、全身状態などの様々な理由から、入院での手術をお勧めさせていただく場合もございます。その際には、速やかに適した医療機関をご紹介いたします。